でも、そうとは言えず、
はっきりと断ることも出来ずに、

お弁当を預かった。




ママの作ったお弁当はズシリと重い。




お兄ちゃんの通う男子校と
私の通う女子高は隣同士。


同じ駅を使っている。



ふっと
お弁当の中身だけ捨てちゃえば
わからないかな、と迷い、


でもママの顔を思い出してはとどまる。




ママは分かってる。


家族とお兄ちゃんをつなぐものは、

もう

私しか

いないことを。