クローゼットから
白地に緑の大小の花が
賑やかにちりばめられているホ
ルターネックのドレスを私にあてがって
「でも、ほら
 こんなに美しく成長した娘を
 私のポケットに
 閉じ込めておくことなんてできないし、
 隙あらば綺麗でしょうって
 自慢したくてたまらない」

次に
深い青いワンショルダーのドレスをあてて
「クララが思う道を
 進んでいけば、
 その道の先には幸せがあるわ。
 そしてそんなあなたの輝きを
 その人は見つけちゃうのよ、
 時が来れば・・・」

もう一度クローゼットから
戻って帰ってきた母は
真っ白なプリンセスラインの
ドレスを持てきて
「だから、それまでの間は
 どんなにクララが傷ついても
 私達に癒させて頂戴。」
それは、この国が
と言ってくれてるみたいで
さすが平和を司る王女
優しさがしみ込んでくる。
そして、元気が出る
きっと私はまた人を
好きになれるって思う。

今日のドレスはこれに決定、
と言って先に朝食へ向かった母

いつか見つかってしまうまで
私はここで何度でも蘇る
当て馬になったとしても
いつかの為に自分を磨き続けるの

私は、母の選んだ白いドレスに誓った