まずい!という顔をして
妹が肩をすくめる
「ここにいらっしゃったのですか!
 まだ課題がおわってないでしょう!!」
相変わらず厳しいお説教が飛ぶ
「だっておねぇちゃんが、かえって」
「とっくに終わってるはずの課題を
 いつまでもしなかったのはベェール様です。
 クラァス様おかえりなさいませ。
 では失礼します!」
といってベルの襟首を掴んで
部屋から出ていく。

-くすくすっ
圧巻の登場と有無を言わせない退場
日常に戻ってきて
心がふわりとかるくなる
「おねーちゃーーーー」
涙目で連行されるベルに
私は大げさに気の毒そうに
「次期王妃様、がんばれっ」
と伝えた
ベルは親指を立てて
「ふふん」とわらった。
それをルミナーテに見つかり
ガミガミ言われている
遠ざかっていくルミナーテと
ベルのやり取りを聞きながら
大きく声を上げて笑った

私はもう笑えるように
なっているみたい。