あたしと実紗が2人で彼氏人形をすごさについて話していると、有里が教室へ入ってきた。


「あ、有里!」


実紗がそれに気が付き、手まねきをする。


「なに?」


「あたしたちの人形、昨日届いたの」


少し声を絞り実紗がそう言う。


「あぁ、そうなんだ」


実紗の言葉にどこかそっけなく返す有里。


それは教室内で他の生徒がいるからかと思ったあたしたちは、すぐに話題を変えた。


「ねぇ、有里は彼氏作らないの? すっごく楽しいよ?」


あたしがそう聞くと、有里は眉間にシワを寄せた。


「有里は彼氏いるじゃん」


と、実紗。


「え、そうなの?」


それなら有里は彼氏人形を作る必要がないのか。


そう思っていると、有里がため息を吐きながら「彼氏とは別れた」と、一言言った。


「あ……そうだったんだ」