{ザ  ザザ   ザ、、、}

女の声
{コチラ梟、A地点からB地点までクリアーでーす}


男の声
{鳳了解、侵入する}


女の声
{コチラ鼠、対象を確認}



{コチラも対象を確認、、、何か、、もめてない?}


{トラブル発生! 何やってんのよ!アイツ}



{コチラ鳳、現場到着! どうした?}









男 『おいおい、この店は勝ってる人間は
イカサマ師扱いなのか?』

ディーラー 『いえいえ、そういう訳ではないです、ここでは他のお客様に迷惑になりますので奥で少しお話だけ聞かせて貰えますか?』


男 『はっ!違うなら行く理由がないんだが?』







鼠 {イカサマバレて、事務所に連れて行かれるみたいね}


鳳 {手間が省けたな。 事務所に着いたら予定通りミッションにかかる}


梟 {りょうかーい 対象が事務所に入って15秒後電源落とすんで、1分でミッション完了してくださーい}


鳳 {鳳了解}

鼠 {鼠了解 脱走経路の確認ヨロシク}

梟 {オールクリアー 予定通りA地点からのルートでお願いしまーす}



梟 {鳳、くるわよー}

鳳 {何時でもいいぞ}



バタン!



・・・





・・











ん、、

暗い、、頭に袋を被せられてるのか、、


コイツ等は誰だ?

どこに連れて行く気だ?

カジノの奴らに事務所に連れて行かれた後いきなり停電して、、そこから記憶が無いな、、




鳳 {対象を確保した。 ※※※に連れて行く}



キキー


車が止まった、、

さっき微かに聞こえた声から推測すれば、、恐らく日本人だろう

さっきのカジノの奴らの仲間、、では無さそうだな、、




男の声 『コッチだ、歩け!』




エレベーター? 地下か、、、



男の声 『外してやれ』



野太い男の声がした。


『眩しい、、ここは?』



目の前に3人の男と女が2人、、5人か、、

さて、どうしようか、、



男 『手荒な真似をして悪かった。息吹君』



!!

息吹 『・・俺に何の用だ?』




男 『はっはは 最初の質問がそれか 多少は理解出来てると思っていいのかな?』


男は笑いながら答えた





息吹 『そうだな、時計の時間と移動手段を考えれば、アソコから15km範囲、高速に乗った様子は無し。 車から降りた時に感じた響く音から地下駐車場のある施設で、エレベーターでそこから更に地下2階分程降りた所。 そんでアンタらは、さっきのヤクザ共から助けてくれたイイ人ってことぐらいは分かったよ』


パチパチ


奥から拍手が聞こえた

白髪頭の爺さんだ



爺さん 『中々、鋭いじゃないか』


男 『Dr.が出て来ると話がややこしくなるから、奥に行ってろよ』

Dr. 『なんじゃい 仲間外れはよくないのぉ』



、、、Dr.? 


よく見ると建物は広く、天井が異常に高い

何かの工場のようにも見える


まだ奥に人がいる可能性もあるな、、





リーダー格風の男が喋りだした



男 『色々と聞きたいことも有るだろうけど、駆け引きはあまり得意じゃないんでね、単刀直入に言おう。息吹君、我々の仕事を手伝っては貰えないだろうか?』



話が見えて来ない、、


落ち着いて考えろ、、

今わかってるのは、あのカジノから連れ去られ?助けられ?
そしてコチラの名前が知られていて?

あのDr.とか呼ばれてた男、、見た記憶がある、、

あの横の女もどこかで見た気が、、


もう少し情報がほしいな、、、


息吹 『助けて貰ったようだし、話くらいは聞かせて貰うよ』


息吹は頭をフル回転させ考えた

、、、、ここに連れて来たってことは今すぐ殺されるとかは無いだろうが、断ったらどうなるかな、、

名前を知られていて、仕事を手伝って欲しいって言う事は、俺がやってるイカサマ以外考えられない。

見た所、ヤクザの類いでは無さそうだが、、



男 『ありがとう。 私は善斗、一応ここのリーダーをやらせて貰っている』

善斗 『今回、君を助けたのは、今日、君はあの後、あいつ等に消される予定だった』


息吹 『オレが? 何故?』


何を言ってるんだと思った、、
まあヤバいカジノであるのは解っていたが
殺される程では無いはず

それに調べた限りでは他のカジノとの繋がりは無かったはず、、、




善斗 『理由は簡単だよ、勝ち続けたからさ 裏カジノのほとんどはヤクザ絡みなのは、解ってると思うが、実際の元締めは別の所にあるんだよ。
他のカジノでも勝ち続けてる君は、まあ商売の邪魔で、裏カジノは不法なだけに訴えられる心配は無いと思ってイカサマで稼いでたんだろうけど、今回、君は最初から狙われてたってわけさ』




ああ そう言うことか、、

それにしても殺される程では無いと思ってたんだがな、、、、


コイツらの話が本当ならヤバい店に手を出したかな、、




善斗 『で、ここからが本題だ。 我々はある人物から頼まれた物を調査し報告する そして報酬を得ると言う仕事をしてるんだが』


女 『簡単言うとスパイよ 但し、非公式のね』


善斗 『涼子、オレが説明するよ まあ簡単言うとそうなんだが、スパイする相手が、この国のお偉いさんなんでね、見つかるとまあ当然、捕まる訳で。
そこで、色々考えてたんだが、度胸もあって頭の回転も早く、なおかつ口の固い人間を探していてね。 リストアップした中に息吹君の名前があって、少し前から調べさせて貰ったよ。』




なる程、要約すると、オレはコイツらに助けられた。

で、その理由が仕事を手伝って欲しいから?

スパイ? 


笑えるな、、




息吹 『そうか、悪いけど、俺に手伝えそうなことは無さそうだな』



断ろうとしたその時、目の前のモニターに何かが映った


なんだ? 人が映ってるようだ


男{息吹君はじめまして、こんな形ですまない。訳あって姿は晒せないんでモニター越しで失礼するよ}


コイツが依頼者か、、、


男 {息吹君、君のことはカジノの調査をして貰ってる時に見つけて、ちょっと調べさせて貰ったよ。
中々、面白かったよ君の経歴は}


息吹 『何を調べたかは知らないが、悪いけど手伝う気は無いよ』


男 {まあそう答えを焦るな、君が断るのはコレを見てからでもいいと思うんだが}


そう言うと男はテレビを点けるよう指示した



{速報です。本日未明、都内にある違法カジノが摘発されました。関係者によりますと、、、、}



さっきのカジノだ、、



男 {君を助けるついでにカジノの裏情報を掴んでマスコミや警察関係者にリークしておいたんだよ。 まあこのカジノの経営者は警察組織の人間なんで何人か身代わりで捕まって終わりだろうとは思うが}



不味いな 此処にいたのはカメラで分かるはずだし、俺が消えてからリークされて摘発じゃあ、、、



男 {頭のいい君なら理解出来ると思うが、アイツ等は君がリークしたと思ってるよ。}




息吹 『それで、助ける代わりに協力しろって話か?』


善斗 『そうじゃないよ さっきも言ったがあの時、助けてなければ君は消されていただろうし、上手く逃げ出したとしても、結局追われる身になっていたはずだよ』


男 {その事を踏まえてお願いしたいんだが、君の安全を保証することは出来ないが、少なくとも、仲間がいれば助かる可能性は高くなるだろう。 そして仕事を手伝うことで報酬も入る。}


善斗 『そして我々は君が手伝ってくれることで、ミッション成功の確率が上がり助かる。 お互いにメリットがあると思うんだが』


幾つかの答えが頭に浮かんだ。

コイツらの話が本当なら、今まで稼いでたカジノにも手配書が回ってても可笑しくない

ここで断ってリスクを背負うくらいなら
しばらく利用して嫌なら逃げればいい



息吹 『わかった。 但し、納得のいかない仕事はしない。それが条件だ』


男 {商談成立だ。後はそこの善斗君の指示に従ってくれたまえ}


そう言って映像は消えた。



善斗 『それじゃあ改めてヨロシク、息吹君』

息吹 『ああ 挨拶はいいよ。それよりも手伝って欲しいと言うなら、詳しい説明が聞きたいんだが?』





逃げるにしても、自身の安全が確認出来るまでは動けない





善斗 『そう焦るな、まずは自己紹介するよ』


そう言うと善斗は全員を紹介してくれた




驚いた、、何人かはかなりの有名人だ、、


さっきのDr.と呼ばれてた男はDr.木島と言って
イカレた発明家として昔ニュースか何かで見た記憶が、確か行方不明だったはず



涼子と呼ばれてたお姉ちゃんは、
現役の有名モデルで


一番驚いたのは、このランと言う少女
その筋ではかなり有名な天才ハッカーだ



それに

リーダーの善斗とアキラ、ナナ、シンと呼び合う4人は元軍人





今ある情報から考えられるのは、何らかの形でどっかの金持ちかに使われる、諜報員って所か。

面子からいって、非公式と言うのも理解したが

恐らく使い捨ての駒だろうな、、、



バレたら終わり、、、殺されるだろう



ハハハ



面白いじゃないか、、


今までみたいに人を騙して生きるなら、これくらいリスクがある方が面白いかもな




息吹 『ま、大体わかった。それで、俺に何を手伝えと?』



善斗 『まだ次のミッションの連絡は来てないから、来るまではゆっくりしてるといい。これからヨロシクな息吹君』




・・



{速報です。先ほど摘発されましたカジノから遺体が発見されたとの情報がありました。カジノ経営者ではないかとの見方が強まっているとのことです、、}



・・