「いい天気だねー、まさに学園祭日和っ!! 可愛い女の子に出会えるチャンス!!」

「歩夢、去年もそれ言ってなかった? で、他校の女の子たち連れて歩いてたよね」

「今でもみんなメル友だよん。 でも俺は常に新しい出会いを求めてるからっ。 運命の出会い、カモン!!」



……歩夢ってば、ほんっと馬鹿だなぁ……。

みんなで一緒に回るって言ってたけど、歩夢はさっさと一人でどこかに行っちゃいそう。

で、今年もまた女の子たちと楽しく過ごしそうだ。



「旬ちゃんは最初 迷子センターの担当だっけ?」

「そ、9時から10時半まで。 まぁ、朝イチで迷子になるやつは居ないと思うから のんびり過ごすよ」

「うんっ。 晃太くんは、午前中はずっと教室?」



旬ちゃんに向けていた視線を晃太くんに向けると、晃太くんは微笑みながら小さく頷いた。



「クラスの出し物でやる お化け屋敷の裏方作業。 まぁ11時過ぎには交代なんだけど、ミサたちの仕事が終わるまではどっかで時間潰してるよ」

「あ、そっか。 なんかごめんね?」

「ううん、全然っ」



私たちが段ボール迷路の仕事をするのは、1日目は11時から13時までで、2日目は9時から11時まで。

仕事が終わるまで晃太くんを待たせてしまうことになるけれど、晃太くんは『お互い頑張ろっ』と笑顔を見せた。