だからこそ選んだ中途半端な言葉は実紗にとって肯定の言葉と同じだったらしく、実紗は何度もうんうんと頷き「やっぱり彼氏ほしいよねぇ」と、言った。


そのとらえ方は友達としては一番理想的なもので、あたしは少し胸をなで下ろして実紗を見た。


「こうね、たくましくあたしを守ってくれるような人がいいんだよね」


実紗はほうっとまだ見ぬ君に想いをよせてため息をはきだす。


実紗の理想的男子はやっぱり胸に抱えている少女漫画に出てくるキャラクターそのもので、


おそらく明日草食系男子の漫画を読めば草食系男子と恋がしたいと言いだす程度のものだとうと感じた。


あたしはパックのジュースを最後まで飲みほして「そうだねぇ」と、気のない返事をする。


「陽子もたくましい男子の方が好き?」


「うん。そうだね」


そこはあたしはハッキリと肯定した。


男はたくましさと優しさを兼ね備えているほうが好みといえば好みになる。