でもまぁ、蒼が少しでも元気になれたなら。
「なっちゃんはさ、怖くない?」
「なにが?」
「ほら僕ってさ、暴走族だし」
「全然。だって弱いし」
私の応えに、乾いた笑いをする蒼。
「……ねぇなっちゃん。僕、なっちゃんに聞いてもらいたいことがあるんだ」
体を離し、向かい合う。
決意した青い瞳は揺れることなく、真っ直ぐ私を見つめる。
けれど話すことに怖いのか、私の反応が怖いのか、もしくは両方か。
手が震えていた。