………

……




翌朝。



「おーい、ミサっちー」



……どこかから、歩夢の声が聞こえる。



「そろそろ起きろよー?」



そろそろ起き……え?






「……あれ……え……?」

「ミサっち、おはよ」



布団の中から顔を出した時、そこには歩夢が居て。

いつもと同じようにニコニコ笑いながら、私の髪を優しく撫でた。



「……なんで、歩夢がここに……?」

「旬ちゃんにお願いされたからだよ。 『アイツは絶対寝坊するから』って」

「あ、そうなんだ……」



旬ちゃんは、マーくんだけじゃなくて歩夢にも連絡してたんだ。

……つまり旬ちゃんは、一人で起きられない私を予想してた……というか、確信してたんだろう。

うーん……なんかちょっと、複雑な気分……。



「玄関のところで正人も待ってるよ?」

「あー……うん、起きマス……」



と言いつつ、体が重くて動かしにくい。

私の居る空間だけ重力が普通と違うんじゃないだろうか……なんて馬鹿なことを思いながら、モゾモゾと体を動かしていく。



「ミサっち、相変わらず朝に弱いね」

「だって眠いんだもん」

「あ、実は襲われたい願望があるとか?」


「……はぁ?」



なんでそうなるんだ。と呆れ顔で歩夢を見た時。

ニコッと笑った歩夢が、突然 布団の中に潜り込んで私の体を抱き締めた。