「諦めないから」
「…」
「絶対、お前のこと、俺のものにする」
「…っ」
「覚悟、しとけよ」
そう言って、私の頬をするりと優しく撫でて最後、
ちゅっと可愛らしい音をたてて私の額にキスをして、東条くんは図書室を出て行った。
「…っ、な、」
う、動きが素早過ぎて反応できなかった…!
今、今、
わたしおでこにキスされたよね!!?
「~~~っっ」
あまりの恥ずかしさに椅子の上に座り込んで脱力した私は、そのまま火照った頬を両手で包み込んで、机の上に顔を伏せた。
涙が出ちゃいそうで。
心臓、破裂してしまいそう…。
これで終わってしまうはずだったのに。
むしろ何かが始まってしまったような気がするのは、たぶん、絶対、気のせいじゃない。
…これからどうしよう……。