手首を強く握って、ドアを開ける。
風が吹き抜け、あまりの眩しさに目を細めたくなる。
「遅いよ、棗ちゃん」
「ごめん、でもみんな食べたでしょ?」
「何言ってるんですか」
「待ってた」
そう言うみんなのところには、購買の袋があって、本当に待ってたらしい。
「ご、ごめん!お腹空いてるのに待たせて……」
ちゃんと言わない私のせいで待たせてしまった。
でも、怒っている雰囲気はない。