「あの、先生その、怪我のこと本当にごめんなさい」
いきなり本題に入るものかと思っていたらしく、きょとんとする先生。
その顔は、さっきの倖に似ていて、さすが兄弟だなと思った。
だって、そんな痛々しいのを見せられて、しかも原因が自分、謝らずにはいられない。
「お嬢につけられたものなら、俺にとっては逆に嬉しいくらいですから」
大人な対応。
慰められてしまった。