「2週間だけ、」 「…」 「…俺を優先しろ」 飛鳥君曰く“お人好し”のわたし。だから断る隙を与えないように言ったんだろうね。走る痛みは逃がさないと言われてるようだった。まるで小動物を捕らえた肉食動物のゆうに。そしてその切なげで苦しげな目を見たわたしは“お人好し”になる。 「…うん」 もうすぐ、中学最後の夏がやってくる。