薄い茶色のさらさらな髪が朝日にあてられて、綺麗に映える。
「綾、起きて」
「あ?……」
私が少し大きな声で起こすと、不服そうな声が返ってきた。
そう、綾は普段の優しい姿からは考えられないくらいに寝起きが悪い。
所謂、低血圧なのだから。
「あー……棗か。うはよ」
あくびをかきながら現状を理解したのか、幾分優しい声色に変わった。
「ん、おはよ。ところで起きられないんだけど」
「んー、ちょっと待って」