「ホントすいません! 俺、わざとじゃなくて!」


えっ!?中越くん? なんで謝ってるの?
助けられたのは私だよね?


まるで自分が悪いことをしたかのように頭を下げて謝る祐樹。


あっ、抱き抱えたこと気にしてるのかな?


そう思うと恥ずかしくて俯いてしまう。


「うん、わかってる。 中越くん、
助けてくれてありがとう・・・」


「いや、そんな・・・」


『うん、わかってる。』って何!? 
なんで私、助けてもらっといてそんな素っ気ない態度はないでしょ?


中越くんが心配そうに私を見てる、
なのに私は何故か恥ずかしくて中越くんの顔を見れない。


中越くんから見たらもうおばさんなのに、
そんな気にすることないよ。

って、私が気にしてるやん!


さすがにこのままじゃ失礼だよね?


そう思ってちゃんとお礼を言おうと京子が顔を上げると、

えっ?! 段ボール!?


祐樹が支えていたはずの段ボールが倒れ掛けていた。

中越くん手を放してる!?


「あぶないっ!」


京子は咄嗟に大声でそう叫んだ!