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あれから11年が経ち、私──青島 美沙子(アオシマ ミサコ)は高校2年生となった。

私の日課は……ズバリ、朝寝坊。






「……お前なぁ、いくら学校まで徒歩5分だからって、さすがに寝過ぎだろ」

「うー……おはよ、旬ちゃん」

「はいはい、おはよーさん」



毛布にくるまる私のほっぺたをツンツンと触りながら笑ってる彼は、篠原 旬(シノハラ シュン)ちゃん。

ちゃん付け してるけど、実は私の1個上の高校3年生。



「みんなもう先に行ったぞ?」

「えー……早い……」

「ミサが遅いんだっつーの。 ほら、さっさと着替えてメシ食って出発するぞー」

「はーい……」



のっそりと立ち上がり、あくびをしながらパジャマを脱いでいく。



「お前はほんと、無防備だよなぁ……」

「えー? そんなことないよー」

「あのなぁ……普通の女は、堂々とパンツ晒したりしねぇよ?」


「いやん、エッチ」

「ハァ……アホなことやってねぇで、さっさと着替えろよ」



というのが、ほとんど毎日繰り返している やり取りだ。