「ああ、ごめんね、まずは自己紹介からだね!俺は二ノ瀬葉月(にのせ はづき)通称ハーシー!よろしく!」


俺が困ってしまっていたのに気付いたハーシーが笑顔で自己紹介を始める。


「間壁論理(まかべ ろんり)で、マカロン」


隣の恐持てお兄さんのマカロンも、低い声で単語を発するように自己紹介。


「えっと、香椎恋夜、で、レン。よろしく」


丁寧な二人の自己紹介に、俺もペコッと頭を下げて挨拶する。


葉月でハーシー、間壁論理でマカロン、なんつー安易なあだ名だ。


「わぁー!フルネームもおっしゃれぇ!レンヤってどう書くの?」


お互いの自己紹介を終えすぐさま反応するハーシーの目は、何だか夏の陽射しみたいにキラキラしていて、それなりの日常に入り浸っていた俺には眩しすぎる。


「えっと、恋する夜、で恋夜」


「名前も、色、男」


見るからにフレンドリーなハーシーと、喋ると案外物腰の柔らかいマカロン。


なんか、怖い奴等じゃ無さそうでようやくホッと一息つけた感じ。