そう思ってたとき。
──ガラッ!!
人が少なくなってきたこの教室のドアが、勢いよく開く。
「キミ子ちゃんっ!!」
入ってきたのは、息を切らした吉田くんだった。
うっすらと額に汗を浮かべているから、走ってきたことが分かる。
でも、さっき緒方くんと一緒に帰ったはず……。
「どうしたの?」
吉田くんの焦りように、驚いてるのは私だけじゃなく、環ちゃんと皐月ちゃんもだった。
「キミ子ちゃん!こんなところにいる場合じゃないよ!!緒方と翼が……!」
「えっ?」
なにがなんだか分からず、私は詳しく吉田くんに話を聞いた。
ふたりがさっきまで校門のところで、私のことで話をしていたこと。
そして、どこかへ行ってしまったこと。
それを聞いて、私はいても立ってもいられなくなった。
「……行かなきゃ!」
「あっ!待ってキミ子ちゃん!!」
吉田くん達の呼び止める声が聞こえる中
、私は急いで教室を飛び出した。