「すまなかった…」

そう言うと土方が私を抱き締めた。

「ひ、土方…?」

驚いていると、土方は抱き締める力を少し強めた。
すると傷に当たったのか、少し痛みが走った。

「いっ……」

「すまねぇ……だが、もう少しこのままでいいか…?」

いつもよりも悲しい声色の土方…
お前らしくないぞと言いたいところだが、私にはそんな気力はなく

「あぁ、構わない」

自分でも驚いたが、今は抵抗できないと本能で感じたんだろう
そんなことを考えてるうちに、私は土方の腕の中で眠りに落ちた。

「……お腹空いた」

「起きて最初にそれかよ…」

目が覚めて一番感じた欲が、食欲だった私は、ただお腹空いたって言っただけだったのに土方が呆れ顔で、でも少しホッとした表情をしてた。

眉間の皺はそのままだけど
「さっき総司に粥作らせに行ったからもう少し待ってろ」

「総司元気か?」

「いつもどうりだよ、元気に隊士に稽古つけてやがるぞ」

「稽古…やりたい」

「ダメだ」

だよな、言うと思ったよ、間髪入れずに言うなんてさすがは土方だな、少しムカついたぞ?

「傷が治ったら、相手してやるよ」

「本当か!!」

「あぁ、約束だ」

土方から相手してやるなんて初めてだな!
あれ?
何でこんなに嬉しいんだ?……ま、いっか