もう女は信用しない、好きになんてならない。
そう固く心に決めた。
思えばクラスの女もそうだった。
勝手に寄ってきてはキャーキャーと騒ぎ、冷たくすれば離れていく。
だから余計に思ったんだ。
女はどいつも同じなんだって。
俺は目の前の泣いている男の子をそっと抱きしめた。
きっとこの男の子も俺と同じ、母親に裏切られたんだ。
死という楽な道に逃げた母親に。
「強くなれ。母親なんかいらないくらいに、強くなれ」
男の子にそう諭しながら思った。
やっぱり女は信じるもんじゃない。
俺はこのままでいい。
この日、俺の心は更に強く閉ざされた。