「いいから、お前達はこの部屋にしろ」
「えっ?」
手招きされたあたしと清良の目に飛び込んできたのは、小花柄の壁紙。
同じく花の形を造った、硝子のシャンデリア。
他の個室の倍はありそうなその部屋は、真ん中が仕切れるようになっていた。
「姫がうっかり予言をするかもしれないからな。
サムライ、その時はお前が記録しろ。
録音でも何でもいいから」
「ラジャー!
まりあと一緒ならそれくらい、全然へっちゃらよ!」
「可愛い部屋だねぇ、清良!
な、なにこのデコラティブな家具は?!
岡崎さん、これって使って良いんですか!?」
全く危機感のないあたし達に、岡崎さんはため息を吐きかける。
「この家にあるものは全て勝手に使え。
留衣さんが許可している」
「はーい♪清良、どっちのベッドにする?」
「そうねえ……」