「俺ここー♪」
「あたし太一の隣ー♪」
太一と清良は、さっさと並んで座ってしまった。
その態度から、岡崎瑛を避けている事は一目瞭然だ。
もう……大人気ないなぁ。
当の本人は全然平気な顔で、窓際に座ってるし。
「失礼しまーす……」
あたしは恐る恐る、その隣に座った。
その途端、発車のアナウンスが鳴り、新幹線は動き出した。
「あの、座席くるっと回して、太一たちと向かい合わせにしませんか?」
そう提案するのも、なんとなくできない。
しょうがないな……ちょっと心を開いてくれないかなぁ。
到着まで3時間ちょいあるし。
あたしは何とか話題を探した。
「あのー、岡崎さん」
「……何だ?」
「えっと……お歳はいくつですか?」
あたしの間抜けな質問に、
岡崎さん(と呼ぶ事にした)は、少し目を丸くして。
やがて、いつもの冷めた表情でぼそりとこぼした。