「見て見て!あの人カッコ良くない!?」

「ホントだ!芸能人かなぁ!?」




ふと、すれ違った女の子達の会話が聞こえてきた。



「ちょっと声かけてみる?」


え?


「だね!」


えぇえ!?



女の子達は燈弥に近寄って行く。


私は慌てて後ろを歩いている燈弥の元に向かった。



「燈弥っ……」



燈弥の腕に自分の腕を回して、ギュッと抱きついた。



「……まりあ?」



私が急に腕に抱きついたことで、燈弥が何事かと顔を傾げた。



……やだやだやだ。

燈弥が女の子達と一緒に行っちゃったらどうしようっ……。


さっきの女の子達可愛いかったもん。



いくら燈弥でも、ついて行っちゃうかもしれない。



「あのー」



さっきの女の子達が遠慮がちに燈弥に声をかけてきた。