「笑美ちゃん?」


顔を上げると、春馬君の姿だった。


「・・・・。」


大きい背、茶髪のサラサラな髪。整った顔。
全部私と違う・・・・。


「笑美ちゃん・・・。」


電話で何度も聞いた、低いけど透き通る声。
頭がクラクラする。


「なぁ・・・?」


私の前にしゃがみこんで、顔を覗きこんだ。


・・・・・・・ポタ。


堪えきれなくなって落ちた涙。


「えっ・・・ちょっ・・・、泣き止んで?」


慌てて、自分の涙を拭った。


「・・・わた。」


言いかけて、春馬君が話しだした。


「俺さ・・・、びっくりしてん。ちょっと年下ぐらいにしか思わなくて、10個も違うって知って。」


嫌だ・・・もう聞きたくない。


「いろいろ考えてて、あかんよなぁ、とか。いろいろ・・・、やけどな?答えは簡単で、」


「・・・。」


「俺、笑美ちゃんが好きやねん。全部引っくるめて好き。・・・それだけじゃあかん?」


好き?


・・・って言ったの?


「笑美ちゃんは?」