種梨くんだってさっきまでいたのに。


なんて思いつつも図書室に残っている人がいないか再度確認し、鍵を閉める。




名前くらいは知っていたけど、はじめて話した『みんなの王子様』。




モテる理由とか、惹かれる理由が何となく分かる気がした。




彼には、人を惹きつける魅力があると思う。




王子とか、そういうのに関係なく純粋に良い人だなって思ったし。







何もかも平凡、いや…以下の私が。


彼と関わるなんて…恋をするなんて…この時は微塵も思っていなかった。