「俺が白夜の総長だからか?」



ずっと黙っていた力也くんが
あの地をはうような声で聞いてくる。


寂しそうな、暗い瞳。
吸い込まれそうで…………………


………………………………。


…………………………………………ん?




今さ、さらりとすごいこと言わなかった?


いや、彼らが白夜の人間だってことは
まぁ百歩譲っていいとしよう。

白夜はここら一帯を治める聖王連合のトップで
一般人だって名前を知ってるような暴走族。
不良の憧れだけど、
白夜に入ることはかなり難しく、
寄りすぐりの精鋭軍だと聞いている。

あんな傷だらけだったし
そんくらい強いとこにいるってのは
まだ納得することはできる。


でも、今…


「今、総長って…………」

あたしの発言にサーッと顔色が
青くなった力也くん。


そしてそんな様子が見えてない
運転席の晶くんは一言。


「あっれー?知らなかったの?
リキは白夜の総長だよ♪」

語尾に♪なんかつけちゃって、
さらーりと爆弾を落としてくれた。