泉を送ってから、自分の部屋に入る。

誰もいない、この部屋。

だけど、泉の温かさが残ってるようで。
苦しくなることなく、俺はすんなりと眠りに着くことが出来たんだ。


少しずつ。
少しずつだけど。

俺は過去をきちんと、過去にすることが出来ていた。



ねえ、だからこそ。

あの事件は起こってしまったんだよね?


俺が、泉との当たり前の幸せを求めてしまったから。



俺は、どうしようもない罪を抱えているのに。



俺は失ってはいけないものを、失ってしまったから。



だからこそ、俺は泉を笑わせないといけないんだ。


今度は俺が本当に幸せにしないといけないんだ。