言葉は、どうしてこうも脆いのだろう。

伊織をすぐに不安にさせてしまう。
この、寂しい人をすぐに。


もっと、もっと。
もっと、強く愛してる事を伝えたいのに。


そんな言葉があればいいのに。


ただ、ただ好きと伝えるだけじゃ伝わらないような気がして。


こんなにも、こんなにも。

私の脳内は伊織一色だというのに。


誰かが伊織を責めても。
伊織の周りが敵だらけでも。

私だけは味方だって。



この、世界の言葉では伝えられない。


私の思いは、気持ちは伝えられない。
伝えきれない。


それは伊織も同じなのかもしれない。


「好き」


何度も、お互い囁き合う。

明日には不安になってしまうかもしれないのに。


だけど、言わずにはいられない。


伝える術がこれだけしかないのだから。




もっと、もっと。

伊織が欲しい。
伊織を感じたい。



もっと。