「……おい佳那汰さんやい、部活に遅れますぜ」


「バカヤロウ、怒られても眺める価値有りだろ」


イケメンでも、年頃には変わりないのですよね、分かります。分かりますがな。


多分、大半の残っている男子が皇律子をやらしい目で見ていた。


しかし、それに慣れているのか、堂々と乳を揺らし、適度に筋肉質な美脚を見せつけて、うちの教室を見渡している。


皇律子の視線が、俺のやらしい視線とバチッと噛み合う。


まるで、俺と皇律子の視線がぶつかった場所からカラフルな星が飛び散るよう。何ともロマンティックな情景が、何故だかぶわっと頭を支配した。


小さなぷるんとした唇がにん、とつり上がり、Uの字に弧を描くと、迷いもなく、皇律子の美脚がこちらに向かって動き出す。


100パーセント手に吸い付くような柔らかさを持っているだろう双丘が、一歩踏み出す度にぽよんぽよん、と揺れた。


思わずそのぽよんぽよんに手を伸ばしてしまいそうになる『堪らん手』を太ももの上で握り拳にして耐えていると、皇律子は俺の机の前で立ち止まった。