ーーーーキーンコーンカーンコーン



チャイムがなり、先生は残酷な死刑宣告

「今週の週末課題は数学のワーク
120〜153までなぁー!」


と元気よく言って教室から去っていった。



…………………。




シーンと静まり返る教室。


が、誰かが「購買行こうぜ!」


とか言ったために、昼休みという至福のひとときに
一旦逃避行することにしたクラスメイトは
ぞろぞろとそれぞれ食事をとるべく動き出した。



一方あたしはそんなのもあまり耳に入らずに

はぁー

と本日何度目かのため息をついた。



「また狼男のこと考えてんの?」

「なぁつぅーん。」


お弁当食べよ

なんて言いながらあたしの席にやってきた
親友なぁつんこと井上七海(イノウエ ナナミ)。

長い黒髪のあたしとは逆の
茶髪のショートヘア。
切れ長の瞳で、身長も高く、
ざ、おとなって感じの美人だ。



ぶーっとほっぺをふくらませながら
スマホを取り出し画面を見る。


「もう4日目か。」

同じようにスマホを弄りながら
器用に弁当箱も開けるなぁつん。



やっぱり大人だ。うん。