そんな時だった。
親友の大輝が俺に耳打ちしてきたんだ。
「心愛ちゃんに彼氏いるか聞いてみよっか!」
「なんで。」
大輝は地味な俺とは違って、明るく元気で頼りがいがあることから、人望もあり信頼も厚い。
「は?お前、心愛ちゃんのこと好きなんだろ?」
気にしてないふりをしていたのに、大輝にはばれていたらしい。
「…あぁ。」
やっぱり、こういう時信頼できるのは親友だよな。
「心愛ちゃんって彼氏とかいんの?」
「えっ!?」
…わかってしまった。
「いる。」とは言ってないものの、反応ですぐにわかった。
馬鹿みたいだな。
彼氏いる奴好きになるとか。
おかしい、俺らしくない、と普段の俺なら笑うのかもしれないな。
なんて、妙に落ち着いて思う俺に心底呆れる。
これから、どうしようか。
この想いをどこにやろうか―…。