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庭に出ると、小松の姿があった。


小松は……酔ったのか、桜の木に身を委ねて眠っていた。


俺は小松に近付いていった。





「……」





しゃがみ込み、小松の髪を梳く。





「大丈夫だ……俺は信じてるから」





……局長や副長が、信じようが信じまいが。


俺は、信じる。


だが直接は言えない。


それでもせめて……今は、慰めてやりたい。


昔のように頭を優しく撫でると、 小松の頬を、一粒の涙が伝った。





「お母さん……お父…さん……」


「……っ!」





ドクンと、心臓が跳ね上がる。


同時に止まる俺の手。