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すぐに竜季と落ち合ったあたしだったけれど、女子寮の周りには誰もおらず、結局視線の正体を知ることはできなかった。


「大丈夫か、ツムギ」


「うん……」


さっきお風呂で経験したことは一体なんだったのだろう。


痴漢や変質者といった類の視線なら、あんなことになるハズがない。


あたしは瞬時にして先輩から聞いた松林高校に伝わる噂の事を思い出していた。


寮に入っている生徒同士が付き合うと、呪われる……。


ゾクリと背筋に寒気が走る。


まさかそんなこと、あるハズないよね……?