まさか、のぞき……とか?


そう思い、あたしは咄嗟に入浴剤の入った湯船に肩までつかった。


すりガラスだから外からも中の様子は見えないハズだけど……。


ドクドクと心臓が脈打つ。


痴漢になったことなんて今までないし、どう対処していいかわからない。


緊張でのぼせてしまいそうになった頃、不意にさっきまでの視線が消えた。


体を見えない縄で縛られていたのに、それが急にほどけたのだ。


「……いなくなった……?」


あたしは小さく呟き、そして慌ててお風呂から出たのだった。