“信用”


そんな言葉。
簡単に口に出せなかった。


誰も信用したらいけないんだと思ってからは特に。


美佳は裏切らない、はず。
だけど、心の底から信用するなんて無理な話だった。


俺の意地?
わかんないけど。



美佳は何もかもを汲み取ってくれたのか、いつもは文句垂らすのに何も言わなかった。



あれから何年経っても。
このネックレスは、胸元で渋く光り続けている。



美佳が俺にくれた最初で最後のバースデープレゼントなんだから。



馴染んでくすんだそのシルバーは、俺に強く語り掛けたんだ。