「せっかくゆりが作ってくれたんだから、食べるよ」 「……ぁ、……ありがとう」 「なんせ恥ずかしくて、3日も俺に渡せなかったのに───渡せたご褒美」 「っち、違う!」 違わないくせに。 あーあ、ほんと俺重傷だ。 「また作ってきて? 今度は恥ずかしがらないでちゃんと渡してよ、ゆり」 「───っっ、もう知らないっ!」 怒ってさっさと行ってしまうゆりの華奢な背中を追いかけながら思う。 ほんと、可愛すぎて困る。