「御影くんは」


いきなり声をかけられて、俺は伏せていた顔を横にそらして、

返事をしないで、そのまま頷いた。



「こうやって賑やかに、ご飯食べたり、テレビ見たり、

 一緒に過ごすのは───嫌い?」



それは、たぶん白井ゆりの心遣いだったんだろう。


だってこいつは強そうに見えて、完璧そうに見えて。


きっと───とても、優しい。



「嫌いじゃない」


「……え?」



「嫌いじゃないよ、こういうの」



だから、俺は小さくそうつぶやいて、

そっとまた目を閉じた───