「…………美佳?」


「そうよ、美佳!何で番号教えないのよ?」


「………どこで知ったの?」


「社長から聞いた!って、それより質問に答えなさい」


「美佳に追って探して欲しかったから」


思ってもないことを言う俺の言葉を


「また、そんなこと言って!昔は素直で可愛かったのになあ」


簡単に嘘だと見抜いて美佳が呆れたように言った。
そんな美佳を無視しながら俺は続ける。


「てか、久しぶりじゃん。どーしたの?急に。
俺が恋しくなった?」


「あーはいはい、違うわよ。久しぶりに会いたいと思ってね」


「やっぱ恋しいんじゃん」


「違うっつーの!別にご飯食べに行きたいだけだから」


「ふ~ん」


「何、その面白くなさそうな態度」


「だって、面白くないもん」


「あんた、まだ20でしょ?」


「はい、だから何か」


「ははは、そうかそうか」


「…………?」

意味がわからなくて俺は姿が見えないのをわかってて、首を傾げる。


「とにかく、今日ご飯行こう」


「あー、はい」


「よろしい」


美佳は偉そうに言うと、クスクスと笑う。