順二は照れ臭そうに

「…忘れる為に俺と付き合っても、いいんだからな」

そうやって、私を甘えさせようとしてくれる。


だけど、私はそれをはっきり断る。
順二の為にも、私の為にも。



「私は、もう伊織以外付き合いたくないんだ。
伊織を悲しませたくない」


しっかりと順二を見据えて。



もう、揺らがない。


伊織に出会えたこと、後悔なんてしない。

寧ろ、出会えたことが奇跡だと思う。幸せだと思う。
運命とすら思う。


以前にも伊織は会いたくないと言ったのに、それから程なくして再会した。


だから、今回も絶対にまた出会える。




もしかしたら、すぐじゃないかもしれない。

何年後か、先かもしれない。




だけど、絶対にまた会える。
そんな気がする。


自惚れでもなく、自意識過剰でもなく。



ただ、それが必然的なモノのように。
そう、思う。



再会が例え、華々しいモノだとしなくても。