岩崎から珍しくメールが来たっていうのに、全くと言っていいほど浮かれた気分にはならなくて。


作成途中のメール。

結局そのまま返信出来なかったのは、『じゃあどうして?』って聞かれたとき、困るから。


突き詰めていけば、望んでもいないことを知ってしまいそうで、

考えるのが嫌だった。


だから、このまま大西との距離を置こう……とか、思っていたのに。




「何で……」

心の声を堪えきれず、小さく口に出した。

いつもの教室。
いつもと変わらない場所。

だけど景色が少し変わって見えるのは、周りに座っていた人達がガラッと入れ替わったせい。


前々から席替えは決まっていて。

先生が作ってきたくじを引いた結果、幸運にも窓際の一番後ろ……今までと同じ席だった。

じゃあ、何に対して声を上げてしまったかというと……。


頬杖をつきながら、チラリと隣に目を向ける。


そこには……大西。


俺の隣の席になったのは、こともあろうか大西だった。