苛立ちを抑えきれず、教室を飛び出した……その夜。
【こんばんは、岩崎です。今日は呼び止めちゃって、ごめんなさい。】
という謝罪のメールが、届いていた。
普通に考えたら、そうなる。
急ぎ足で慌ただしく、俺は教室を出て行ったわけで。急いでいたんだと解釈されるのが、普通だと思う。
でも、
別に急いでいたわけじゃなかったし、こっちからすれば、岩崎と話せてラッキーだった。
それなのに、あんな態度を取ってしまったのは……。
【俺こそごめん。違うんだ】と、返事を打ったところで、手を止める。
……違う?
だったら何で、あんなにイライラしてしまったのか。
そのきっかけは、あいつ。
大西の声だった。
照れた感じの声が、とても耳障りで……って、何だよそれ。
自分自身でも意味の分からない動機に、自己嫌悪。
腰掛けたベッドの掛け布団の上に、ボスっとケータイを沈める。