ケータイ小説 野いちご

レンタル彼氏【完全版】

彼女がお風呂に入ったのを確認してから、俺はトイレへ駆け込んだ。


気持ちが悪くて、内側から込み上げるモノを抑え切れなかった。


久しぶりに体を重ねたけど…。


昔とは違う。
あの頃とは違う。



愛情も。
何もないこれは。

こんなに滑稽で、惨めだと。

そう、感じる。


している最中は、集中してるし、気持ちも昂ぶってるから何も感じないのに。


終わった後、急に来た。


一通り、中身を吐き出した俺は水道の水で口をゆすいだ。



シャワーの音が聞こえる。
携帯がさっきから鳴りっぱなしだ。



見てないけど、多分。
――――…母親。



何も。
見たくない。



洋服を着た俺は、リビングのソファに深く腰掛けた。


そのまま手足を投げ出す。


この部屋、広いなあ。
何してんだろ、この人。


彼氏いないのかな。

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