美津の胸が膨らみ始めたのは いつだったか



誰にでも来る成長期



当たり前の思春期



ただ、美津の胸は他の少女達よりも少し大きくて



少年達はそれをからかい



少女達は白い目で彼女を見た。



“おーい、鶴田ぁ
お前の乳、牛みたいだなぁ。”



“鶴田さん、あの胸で男子を誘ってるのよ。”



“やぁね、はしたない!”



“あの子とは遊んじゃダメよ!”



心の奥に潜む悪魔が



少女達を蝕んでいく――



『ねぇ、何やってるの?
私も入れて。』



『鶴田さん…
すみれちゃん、行こう。』



『………………。』



彼女自身、避けられているのは なんとなく分かっていたし、それが この胸のせいだということも分かっていた。



だけど、もちろん どうすることも出来ない。