「……はい?」


「もしもし、あの、今着いたんだけど……」


電話に出たリンが若干切れ気味なのは気のせいですか?


「わかった」


そう言ってリンはすぐに部屋を出て車の方に向かってくると、いつものように助手席のドアを開けた。


久しぶりの再会だ!会いたかったよリン!


でもルームランプに照らされてるリンの表情は憮然としてる。


俺を一瞥してからスッと助手席に座ってボソッと一言。


「とりあえず、どこでもいいから行って」


「……は、はい」


まるで客を乗せたタクシー運転手のように、何回かリンと行った事のある近くの海へと車を走らせた。