たかしゃんの隣をキープした。




もう、同じ班のバイトの人に話しかけることはなかった。



今年は男の子が多くて、あまり喋らなさそうな女の子が1人だけだったから




それに、彼氏この人なの。ってゆう展開になるのが嫌 だった。





「違ったらごめんね。……もしかして、去年の人?」




ユニークで優しくて、奥さんがいて、たかしゃんぐらいの年で何故かずっとマスクをしている職員さんだった。




去年、あたしが座り作業だと思ってブーツで来てしまって、そしたらずっと立ちっぱなしの作業の担当になって、足が痛いあたしに新品の自分のスリッパをくれた優しい人なんだよね。



マスクしてないから、誰だか分かるまで時間がかかったけど嬉しいな。



「覚えててくれたんですか!」


「結構派手なのに、可愛らしくて優しい、ギャップのある人だったからね。」



そんな……照れちゃう……



「ずいぶんおとなしい格好になったんだね。よく見ないとわからなかったよ。その格好だと、かなり若く見えるね。」



「お兄さんこそ、マスクなくて分かんなかったですよ」



「あ、そうか。去年マスクしてたんだっけ。ここ、ほこりが凄くてさぁ~。あ、チョコ食べる?はい。」



お兄さんはあたしに包み紙に入ったチョコを一粒くれた。



戸惑っているとお兄さんが


「今年もよろしくね。」


と爽やかな笑顔で、去っていった




たかしゃんの隣に座り直す。


「チョコもらった~!」


「よかったね。」



そんな感じで今年も始まった