「もう……何が何だかわかんないよ……」

手のひらに残るメモをギュッと握りしめて呟く。

三浦君がストーカーじゃないとしたら、一体誰がストーカーだっていうの……?

よきしていなかった展開に思考がついていかない。

でも、一つだけ考え直すことができた。

三浦君をストーカーと決めつけるのは浅はかかもしれない。

何事にも冷静沈着で客観的に物事を見ることができる桜は最初から三浦君だけをストーカーと決めつけてはいなかった。

今まで桜が間違ったことを言ったことは一度もない。

あたしよりも何十倍も頭が良くて勘の鋭い桜は好未を疑っている。

三浦君は翔と好未を疑っているようだった。

もしかしたら……――

「……まさか……そんなはずないよね?」

ねぇ、翔……好未……?

あたしはぶんぶんと首を振って湧き上がる考えを必死に否定した。