ケータイ小説 野いちご

レンタル彼氏【完全版】

ゲーセンまでは徒歩で15分ぐらい。
そこまで行くのに、高校が1つある。


その高校が泉の高校だってことを知らずに俺は側を歩いてたんだ。


そこを抜けたとこにある少し栄えた商店街にゲーセンはある。
その商店街を抜けると、賑やかな駅前に出る。



その駅前が。
泉と初めて会った場所。



ぼんやりと、俺は空を見上げながら歩いた。

このまま、事故に遭ってもそれはそれで構わない。



俺の自由は死なないと得られない。



「伊織っ?!」



急に背後から俺を呼ぶ声がする。
その声に聞き覚えがある。



…ま、さか。


俺は。
ゆっくり、ゆっくりと後ろを振り向いた。




「…やっぱり、伊織だ」


そいつは。


満面の笑みで、俺の元へと歩み寄る。
俺は走りだしたいのに、足が全然動かなくて。



1ヶ月ぶりに会う泉をまじまじと見つめることしか出来なかった。

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