不思議と今は涙が出なかった。



でも心は雨のように泣いている。




『……うぇっ…』



吐き気がする。



『おいおい…大丈夫かよ?』





原田さんが私の側まで来て
背中を撫でてくれた。




『ケホッ…ケホッ…うぇっ…』




ガシャンッ‼︎



苦無を落とした。





フラッ…



ドシャッ





こころの記憶は途切れた。