「ほらほら、龍牙早く仕事してこい」



マサくんの言葉で、龍牙はやっとの事で仕事に行った。


そのあとを私もついていく。



「どうやって捕まえるの?」

「犯人はほぼ小説を万引きしてる。だから、小説のコーナーが見える位置からバレないように見張る」



おー、なんか張り込み捜査みたい。


龍牙と二人で、小説コーナーの隣にあるスポーツ雑誌のコーナーで犯人が来るのを待った。



その間、私はさっきのことを考えていた。



……女は信じない、か……。


だからアドレスも教えてくれないんだ。

……過去に、何かあったから。