ケータイ小説 野いちご

祠の鬼

朝と言うのはどうしてこんなにも眠いものだろう、と思いながら欠伸をしながら階段を下りる途中、珍しく早起きをした有十が開口一番叫ぶ。



「ひどいよ兄さん!今朝なかなか起きてこないから、おれが朝ごはん作るハメになったじゃないっ」

「……しょうがないだろ、昨日寝るの遅くなったんだよ」

「明日は絶対兄さんが作ってよね。その代わり、今日は焦げた目玉焼きと真っ黒なパンで我慢してよ」

「お前……何をしたらいつもそうなるんだ」

「普通に料理して、に決まってるじゃない。他に何があるのさ」

「はいはい、俺が悪かったよ」



響はため息を吐き一階の日当たりのいい植物と本に囲まれたリビングで、二人と一羽で朝食を取る。



焦げた目玉焼きを食べながら有十が理由を聞く。



「で、今朝寝坊した理由は?」

「鬼伝を読んでただけだ」

「鬼伝を?そんなに面白いものじゃないと思うけど……鬼何かに興味あるわけ?」

「あるわけないだろ。ごちそうさま、悪い後片づけ頼む!」



適当に朝食を済ませた響が洗面所へ向かい、それからバタバタと家を出ていった。




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